『ながい坂』 [考える]
山本周五郎『ながい坂』(新潮文庫、上・下)を読んでいます。「週刊新潮」に、昭和39年6月29日号から1年半にわたって連載されたものです。
この小説は、下級武士の家に生まれた主人公ががんじがらめの既成秩序の中で、目をかけられ、努力して、一歩一歩はい上がり藩を変えていく半生の物語です。人生は「ながい坂」を登るようなものだという意味でこの題名になったかはわかりませんし、立身出世物語ではありません。こういう生き方もあるのだと考えさせられています。
読んでいたら次の文章がありました。
「この藩には重臣を含めて、名門と呼ばれるものが十二家あります。もちろん、御当家の三浦氏もその中にはいりますが」と杉本は云った、「――ーこれらは何十年もまえから、五人衆といわれる御用商人とむすびつき、かれらの贈賄によって肥え太り、政治はそっちのけにして、ただ権力や与党の奪い合い、放埒な遊興や背徳行為に耽っているだけです」
「十二家」を「派閥」と置き換えてもそのまま意味が通ずると一人でにやにやしました。藩の重役は、民のためによいことをしないで私利私欲にだけ目が向いています。政治家の先生方には大変失礼なことではありますが、いつの時代も人間の欲というもの、権力欲・金銭欲は変わらないもののようです。人間の性であり、だから世の中は進歩するのかも知れません。その方向は別として。
権力欲は、政治の世界もほとんど毎日のニュースで感じていますが、
私の近所では、有名な大会社のリタイアお偉いさん達のお家もあり
ゴルフの会などなぜここで権力???欲?? の塊の話し合いになって
ぐちゃぐちゃです。
by La・ruru (2009-05-20 21:23)
「ながい坂」
何処かで聞いたような・・・・??? と思いだしたところでした。
日本の文学全集の中の1冊、我が家にあります。
by せつこ (2009-05-20 23:18)
La・ruru さん
おはようございます。
ときどき思います。これくらいの人でないと経営者にはなれないんだな、と^_^ 。
せつこ さん
おはようございます。
いま、藤沢周平の「漆の実のみのる国」と併読(再読)しています。
両方面白いんですが、ときどきストーリーが混乱します^_^ 。
by 斗夢 (2009-05-21 05:14)
遠い日、「長い坂」を読んだ記憶が蘇りました。人生、ショートカットキーも、戻るボタンも有りません。まっとうに勝負をしてもらいたいですね。
by mwainfo (2009-05-21 12:16)
mwainfo さん
こんばんは。
自分の人生は、自分ではいいのか悪いのかわからないようです。
お棺の蓋が閉じるとき、他人がどう云おうと
自分が納得できるかどうかだと思っています。
by 斗夢 (2009-05-21 21:43)
最近 と言っても 久しぶりに小説(村上春樹のダンス・ダンス・ダンス)を
読破しました。
ここ10年余り 軽いエッセイや短編(阿川佐和子や群ようこ)ばかりでしたが
はじめの取っ掛かりは大変でしたが 楽しかったです。
山本周五郎の「ながい坂」 図書館で借りてきて読み始めます。
ありがとうございました。
by ララアント (2009-05-21 22:04)
ララアント さん
おはようございます。
本棚をかき回して以前読んだ本を読み返すと、
内容をほとんど忘れていることが多いですね。
いまは新しいものを買わず再読が多いです^^。
by 斗夢 (2009-05-22 05:44)