澤田美喜記念館を訪ねました（Ⅰ）。 （2月17日）

　2月17日、大磯町を訪れました。
　大磯は、子供が小学生だった何十年か前に「大磯ロングビーチ」に２、３度来たことがあることと吉田茂が住んでいたくらいしか知りませんでした。
なんで訪れようと思ったかというと、昨年so-net ブログでSILENTさんが「エリザベスサンダースホーム」について書かれており、それを拝見して
忘れていた子供の頃を思い出したのでした。

小学生だったと思います、映像で（勿論そのころはTVはありませんから、映画のニュースフィルムでしょう）敗戦後の混乱の世の中に「浮浪児」とか

「混血児」とかがいるのを見ました。田舎ですが一応寝るところもあり、食べるものも少ないながらあり、そして両親もいるわたしと比べてなんと

かわいそうな子どもたちがいるもんだと思い、長年頭から離れませんでした。が、そのうち、忘れていました。

それが昨年ブログを拝見して思い出しまだあるんだと知り、訪れようと思ったのですが、ズルズルと時間が過ぎてしまい、今年は兎に角早い時期に

訪れようと。

 

大磯駅は、明治から昭和にかけて８人の総理大臣が住み、多くの別荘がありながら小さく質素ですね。

この日ご一緒していただくSILENT さんには駅まで足を運んで頂きました。 

澤田美喜記念館とエリザベスサンダースホームは、駅前の大通りの斜め向かいに門があります。バス停標識の前。
岩崎家の別荘だった所で広大な山です。 

　門です。　奥に澤田美喜さんのレリーフと澤田美喜さんの生涯を刻んだ銅板があります。

 

 

　澤田美喜さんとはどんな人だったのか、上の銅板を長文ですが下に書き写します。  

　　　　　沢田美喜女史の生涯

　　一九〇一年九月一九日、三菱本家岩崎久弥の長女として東京に生まれ、中等教育終了後家庭にあって
個人教育を受け、高度の学問、技芸をめる。十一歳の時、この地にあった別荘に病後を静養中、付き添い
看護婦より聖書のことばを聴き、キリスト愛に感動する。
 　一九二二年、外交官沢田廉三と結婚。以後夫君と同じ信仰に立ち、アルゼンチン、中国、イギリス、フランス、
アメリカの各日本公館にあって国外交に活躍し、内助の功を積むこと二十余年に及ぶ。
 　たまたま、ロンドン在勤中、ドクター・バナードス・ホームを訪問、孤児たちへの慈愛溢れる養育と将来に備え
ての教育に接しこの道に？命を感じ、他日の献身を志す。
 　一九三六年、夫君に従って帰国、一九四一年、太平洋戦争勃発、以後三男の戦死、敗戦と降伏、
財閥の解体等の受難を体験する。米軍進駐箇月後、日米混血児一号出生。以後諸処に混血児の
遺棄あるを見聞し、心を痛める。
 　この頃、列車旅行中、混血嬰児の風呂敷包み棚より膝に落ち、警官の疑いを受ける。これを契機とし
混血遺児救済に着手する。財産税のため納されていた別荘を、借入金を工面して買い戻し施設に当て、
一英国老婦人の遺言による初めての寄付百七十ドルを基金に加え、一九四八年月、寄付者の名を
冠し、社会福祉法人エリザベス・サンダース・ホームを設立、理事長兼園長に就任する。
 　次々に運びこまれ、あるいは門前に遺棄される混血児を母となって養育。持てる物すべてを売り尽して
得た資金、特志家の献金、十一回におよ北米遊説により与えられた浄財等をもって施設を拡大拡充し、
幼稚園、小、中学校を建てて愛児たちを教育する。かくて三十年間に育て上げらた者約二千名。内約百名は
米国及び海外の家庭に養子となり、それぞれの国に渡り自立。九名はアマゾン河流域に買い与えられた三百万
平米の開拓地に入植して新天地を開く。
 　事業開始当時、妨害、乗取工作、中傷等に直面し、孤独と絶望に陥る時、キリシタン遺品の並ぶ小堂
において祈り、力を与えられることしばしばあった。
 　その小堂を抱く修養道場を建て一般に公開する計画遂行中、スペインのマジョルカ島に旅し、その地にて
病を得、天に召される。時に一九八〇年五月十二日　享年七十八。
　　　　
　　　　　　　一九八二年十一月　　　　　武藤富男記す

　ここで育てられた子どもたちは澤田美喜さんのことを「ママちゃま」と云って慕っていたそうですが、早い時期の彼らも今は孫のいるおじいちゃん、
おばあちゃんですね。

　長くなりましたので本日はこれにて。２回になるか３回になるかわかりませんが、続きます。 

コメント 17

斗夢さま
よく調べられて、わかりやすい説明で、澤田美喜さんという方の片鱗が浮かんできます。写真も的確でお見事ですね。
by SILENT (2015-02-22 07:32) 

澤田さんのことを知っている世代は、もうかなり減ってしまったでしょう。
なかなか出来ることではありませんでしたね。
「混血子」今は「ハーフ」で、もてはやされて・・・時代を感じます。
by okko (2015-02-22 11:14) 

澤田さんの事を知ったのは　高校時代JRCの活動を経ての事でした。
今振り返るとこの方の考え方私にかなり影響を与えてたのではないかと
思います。
行きたかったのに行けなかった場所拝見させていただきとてもうれしいです、
感謝です、
by ゆうみ (2015-02-22 11:35) 

澤田さんなんとなく名前しかしらなかったのですが今拝見してよくわかりました。ありがとうございます。
by みぃにゃん (2015-02-22 12:19) 

確か吉田茂の為に作ったのがワンマン道路でしたよね～
戸塚に実家があった姉の旦那さんの関係で
小学校低学年の頃にホンマン道路を走ってくれた事がありまして
大磯の文字で思い出しました。
澤田美喜さんの事は知りませんでしたが
重厚感のある記念館のようですね～
by makkun (2015-02-22 13:50) 

こんばんは
大磯にこんな場所があるとは
知りませんでした
三菱財閥の娘さんでしたか
by kazu-kun2626 (2015-02-22 18:36) 

今のお金持ちも、こういう事業やってほしいですよ。
by 夏炉冬扇 (2015-02-22 18:54) 

◎　SILENTさん
　　　　ありがとうございます。
自分としても理解したいという思いです。もう少し頑張ります＾・＾；

◎　okko さん
　　　　こんばんは。
知らない人のほうが多いでしょうね。
わたしとしては子供の頃の断片的な印象をもう少し深く知りたいと思ったのでした。
妨害や差別がひどかったようですから想像できない位の苦労したと思います。
このような施設が全国各地にあったようですが、ほとんどダメになったようです。

◎　ゆうみさん
　　　　こんばんは。
わたしも気になっていたところを訪れることができてよかったと思っています。

◎　みぃにゃんさん
　　　　こんばんは。
亡くなって時間が大分経過し、取り上げられることもありませんから。
すごい人がいたものですね。

◎　makkun さん
　　　　こんばんは。
大磯といえば吉田茂。澤田さんはあまり取り上げられませんでしたね。
重厚感と云うよりわたしは天に向かって飛び立つように見えました。

◎　kazu-kun2626 さん
　　　　こんばんは。
三菱財閥創業者・弥太郎の孫で、弥太郎の子・久弥（３代目総帥）の娘です。
財力があったというより資質と育ちがこういうことをなさせたんでしょうね。

◎　夏炉冬扇さん
　　　　こんばんは。
今は大金持ちでも財閥とはいいませんね。スケールが違います＾・＾；

by 斗夢 (2015-02-22 19:33) 

沢田美喜さんの話は何度か聞いたり、見たりしましたが記念館があるのですね。美喜さん自身はきっとこんな風にしなくていいと思ってらっしゃるでしょうね。
by さきしなのてるりん (2015-02-22 19:38) 

沢田美喜さんて、すごい女性ですね。
by テリー (2015-02-22 22:38) 

◎　さきしなのてるりんさん
　　　　おはようございます。
今の形がいいのかどうかはわかりませんが、遺品を展示公開したいと
考えていたようですから、満足しているのでは無いでしょうか。

◎　テリーさん
　　　　おはようございます。
そうですね、財閥のお嬢さんで財力を使ってでは無いですから、すごいです。

by 斗夢 (2015-02-23 04:41) 

おはようございます、昨晩から春一番が吹き荒れていましたが今日は気温も朝方とも思えない12度を、これで一足飛びに春が来ますね。
戦後の混乱期に孤児院を開設されたんですね。
by 馬爺 (2015-02-23 07:29) 

◎　馬爺さん
　　　　おはようございます。
吹きましたか、こちらはまだですね。
今朝起きがけにベランダの寒暖計を見たら16℃！　６℃ではないかと
見直しましたが１６℃でした＾・＾；
敗戦後各地で同じような施設があったそうですが、残っているのは
ここだけでないでしょうか？

by 斗夢 (2015-02-23 07:51) 

おはようございます。
不妊手術をした様です・・・本当に凹んでました。
by YUTAじい (2015-02-23 08:24) 

◎　YUTAじいさん
　　　　こんばんは。
本当に！　チョコちゃんは何歳ですか？　かわいそうかわいそう！
by 斗夢 (2015-02-23 18:10) 

コメント感謝します。魚眼は初めて使いましたが寺や海岸で面白い効果があるかもしれません。
by katakiyo (2015-02-23 21:53) 

◎　katakiyo さん
　　　　おはようございます。
魚眼は特殊と云えば特殊ですが、いろいろの場面で使えそうですね。

by 斗夢 (2015-02-24 05:05)