SSブログ

年賀状 [考える]

 *当ブログにたくさんの方にお出でいただき、nice! コメントをたくさんいただきました。有難うございます。

 一月ももう六日です。そろそろ年賀状は郵便受けに届きません。

 年賀状は出す人出さない人、出すにしてもどのような年賀状にするか考え方は様々でとやかく云えないのですが、私は多くはないですが出します。そして、それに見合った数を受け取ります。年に一度、年賀状のやりとりだけの関係でも、受け取った一枚一枚にいろいろなことが心をよぎります。

 この正月、毎年いただいていた年賀状が届きません。どうしたのだろうと気になります。

 待っている年賀状は小学校の時のT 先生からのものです。昨年の年賀状では公的なこともまだやっているご様子でした。確かに高齢ではあります。

 私の出た小学校は小さな学校でした。私たちのクラスは卒業の時は28人でした。勿論、一クラス一学年で、全校でも160人くらいでした。

 近年、学校のこと教育のことがいろいろ取り沙汰される時、小学生だった頃のことをあれこれ思い出します。特に、T先生のことを思い出します。

 昼食を食べた後、毎日10分間ソロバンを教えてくれる先生もいました。T 先生には習字を教えていただきました。希望者に、一年生の秋ぐらいからだったと思いますが、放課後や夏休みなどにです。その成果として、お正月の書き初め展(県単位)で銀賞をもらったこともあります。社会人になってからも字が書けるということは得でした。勿論、ソロバンは電卓が普及するまでは仕事で使っていました。(電卓で計算したものをソロバンで検算していた時期があります)

 先生方とは、遊び友達のようなところもありました。例えば、ビー玉をして大分取り上げられました。大人と子供ですから当然です。教員室の先生の机の中にはビー玉がじゃらじゃらしていました。

 敗戦直後のことで、正規の免許を持った先生も少なかったのでしょうが、正規の資格を持たない先生もいました。そういう臨時の先生は、夏休みなどに何年もかけて資格を取ったようです。

 勿論、勉強もきちんと教えてくれたと思います。九九を覚えるまで居残りさせる先生もいました。前日指定された例えば五の段が云えないと帰してくれません。町の大きな中学に進んだとき、全体として我々の学力は高かったようです。1クラスの生徒数が当時50人くらいが多かったと思うのですが、少人数であったことも良かったのかもしれません。

 先生は、父兄から尊敬されていたようです。我々生徒もそれを見聞きして、先生は偉いんだと思っていました。例えば、田舎ですから、結婚式・披露宴は自宅で行うのが当たり前でしたが、先生が招待されていました。婿さん嫁さんの受け持ちだったとか、いま子どもが通っているなどということなしに、いま、その学校で教えているということで。

 私の大好きな作家の藤沢周平にエッセイ集「ふるさとへ廻る六部は」(新潮文庫)があり、その中に『聖なる部分』(初出「作文と教育」昭和63年9月号)があります。最後の部分を引用します。

 多分教育とは、どのような形であれ、生徒の心と身体をはぐくむという運命から逃れられない職業なのだろう。そこに教師という職業の、他の職業とは異なる部分があるように思われる。
 と言っても、私にしたところで、まさか教師は聖職だなどというつもりはさらさらない。かって私は二年間教職にいた経験があり、そのときの多忙はほとんど肉体労働にひとしいものだった。
 しかし生徒を担任して一年近くたったころ、私は自分が、ただ労働に見合う報酬を得るのが目的で働く労働者ではなく、何か割り切れない聖なる部分をふくむ職業をえらんだのだということにも気づかざるを得なかった。
 最近の教育問題が、そのあたりの感覚の欠落が原因をなしているとしたら、教育は由由しき事態をむかえているといわざるを得ないように思う。

 私が小学校の頃は、敗戦直後の社会は混乱し、新しい教育制度が始まったばかりであり、いろいろの考えを持った先生方がおられたと思います。私たちは校内暴力もなくいじめもなく恵まれていたと思います。農作業の手伝いに駆り出され、そうでなければ勉強もせず暗くなるまで遊びまわっていたいい時代だったのです。いろいろのことが胸に去来します。良き先生良き学校を思い出すことができる私は幸せです。

 最近、スエーデンの教育システムのことが見聞されます。本を探して読もうと考えています。

 それにしても、T 先生はどうしたのか気になります。

 *長々とした文章を最後までお読みいただき有難うございます。


nice!(89)  コメント(24) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 89

コメント 24

未来

T先生のこと心配ですね。
ぼくが子供の頃の先生は尊敬に値する人ばかりでした。
でも、乱暴な先生が居て殴られました。
その理由は未だに分かりません。

by 未来 (2010-01-06 12:25) 

arashi

毎年届いた賀状が届かないのはとても気になります。私の所にも2人の方から届きません。どちらも高齢なので心配しています。
他に「90になり賀状が重荷になったので、来年から失礼します…」と届きました。納得です。パソコンがあるから、いいのですが、手書きだったら私もわかりません。
by arashi (2010-01-06 13:06) 

みちる

私も小学校 中学校の
六人の担任教師に
ずーっと年賀状を
出し続けていましたが
家族の方からの残念な
お手紙をいただいたり
訃報を知り
今では お一人になってしまいました
今年も先生からの年賀状をいただき
嬉しく思っていました
今の我が子たちは
先生に年賀状を出しません。
先生の中には自身の住所は
教えないということも
なんだか 寂しいなぁと
思ってしまいます
次女の担任教師には
年賀状を出しました。
この先続くといいなあと思います(=^▽^=)
by みちる (2010-01-06 13:14) 

吉之輔

こんにちは、はや七日正月でした。
私など、小学校でなく、国民学校の卒業です。
お聞きになった事、有るでしょうか?
その頃の先生は皆お亡くなりになって、
良い思い出の先生、嫌な思いでの先生も。
悪ガキだったのですかね。
ご訪問&ナイス有り難うございます。今後も宜しく
お願いします。
by 吉之輔 (2010-01-06 15:59) 

斗夢

未来さん
こんばんは。
悪いことをしたり言う事を聞かないと殴られましたね。
親は、お前が悪いからだと・・・親に殴られたとは云えませんでした^^。

arashi さん
こんばんは。
心を込めて書こうとすると疲れると思います。
年賀状を書かなねればと思うだけで疲れますので^^。

みちる さん
こんばんは。
私は小学校の先生が一人、中学校の先生が一人になったものですから、気になります。
先生が子どもたちに自分の住所を教えないといことはなんなんでしょうね。そんなことで日常のコミニュケーションも取れないでしょうに。そんなことはどうでもいいと思っているのでしょうね。

吉之輔さん
こんばんは。
国民学校・・・聞いたことがあります。私の兄は私と歳が11歳離れていますから。
体罰はありましたね。悪いことをすれば殴られましたね^^。
by 斗夢 (2010-01-06 17:48) 

toshiro

恩師のことを、こうして気にかけるということだけでも素晴らしいことだと思います。思いが届くといいですね!
by toshiro (2010-01-06 18:27) 

ムク

宛先不明で戻ってきたり、、、離婚などもあるので。。
恩師の方、心配ですね。
by ムク (2010-01-06 18:44) 

ナビパ

恩師の方心配ですね。
長年会っていない方からの頼りは嬉しいものですよね。
by ナビパ (2010-01-06 21:32) 

Pace

年賀状は毎年の楽しみです♪
学校現場に関わっていて、学力だけではなく心を育むことの
大切さと難しさを感じます。
藤沢周平さんの本、読んでみたいと思いました。
フィンランドメソッドだけではなく、スエーデンの本も
あるのですね(’’)勉強になりました!
by Pace (2010-01-06 22:21) 

ララアント

今年は喪中のため 年賀状は来ないのですが
・・・やはり 一人だけ 喪中欠礼はがきが
返ってきています。。。
気になります。

斗夢さんがご自分の心情を吐露されているのを
読んでいると 何故か胸に迫るものがあります。

私も先生は尊敬にあたいする人がつかれていると
信じて 子ども達の先生には接してきました。。

今度は"藤沢周平"さんですね!


by ララアント (2010-01-06 23:10) 

jinn

教職は難しいです。
僕も非常勤講師を7年やりました。
現在は斗夢さんが出会ったような教師は
少ないように思えます。
それが僕は教職から離れた理由の一つでもあります。
by jinn (2010-01-06 23:21) 

yuwamama

こんばんは。
ご挨拶が遅れてすみません。
昨年はたくさんの優しいあたたかいコメントをありがとうございました!
今年もどうぞよろしくお願い致します☆

人に何かを教えるというのはとても難しいことですね。
T先生、心配ですね。
by yuwamama (2010-01-07 01:58) 

斗夢

toshiro さん
おはようございます。
長い実社会で生きてこられたのはたくさんの先生方のお陰だと思っています。
たまたま今は小学校、中学校各々一人だけとのお付き合いになってしまいましたが。

ムク さん
おはようございます。
昔の同僚に出したものが、宛先不明で戻ってきました。
一人で事業をやっていたのですが、今の世の中の状況を考えてこちらも心配です。

ナビパ さん
おはようございます。
年老いてきますと、同級生からの「元気か」という1年に一度の元気にしているたよりは嬉しいですね。

Pace さん
おはようございます。
教育現場を知らず生意気なことを言うようですが、知識を教えていただくことよりも子どもたちの心について配慮していただきたいなと思っています。
藤沢周平は聖職と云うつもりはないと言っていますが、若い真っ更な子どもたちの心に影響を与える教師は聖職だと私は思います。簡単ではないと思いますが。
スエーデンは学力が世界一だそうで、システムが素晴らしいと聞きました。

ララアント さん
おはようございます。
今のところありませんが、同級生の家族から喪中はがきが来る歳になりました^^。
聞くところによると、資質に欠けると思われる先生もいるようですが、大変な親もいるようですね。
先生が色々な問題に心をとられることなく次代を担う子どもたちと勉強する学校であればなと思います。

jinn さん
おはようございます。
大変だったでしょうね。
現在の学校は教師に負担をかけ過ぎているようですね。
それをどう解決するか、見えません。
学校は誰のためのものか再考したいものです。
時々、江戸時代の寺子屋のことを考えます。

yuwamama さん
おはようございます。
こちらこそ。
今年も宜しくお願いいたします。
一人、二人の自分の子供を育てるだけでも大変なのですから、なん十人もの生徒と接する先生はたいへんですよね。
by 斗夢 (2010-01-07 05:46) 

かずっちゃ

おはようございます。
新しいブログの方へ早速ご訪問頂きましてありがとうございました。
先生、いまはサラリーマン先生とか進学させることが目的の先生とかが増えて、昔のようなイイ先生は少なくなったように思います。悲しいですが、それが時代の流れなんですかねー?
by かずっちゃ (2010-01-07 10:23) 

サチ

読ませていただきながら、自分の事と
重ね合わせてしまいました。
私も気になる恩師がいるので・・・・。

斗夢さんも恩師の事気になりますね。
by サチ (2010-01-07 10:24) 

mwainfo

新年早々お寄りいただき感謝します。本年もよろしくお願いいたします。藤沢周平さん、敬愛する作家です。
by mwainfo (2010-01-07 10:38) 

アヤメセブン

わたしも、何年も年賀状だけのお付き合いの方がいらっしゃいます。
毎年、楽しみです。
by アヤメセブン (2010-01-07 15:54) 

斗夢

かずっちゃさん
こんばんは。
先生だけに責任を負わせてはいけないのではないかと思っています。次代を担う子どもたちをどう育てるか大変重要なことですから。

サチ さん
こんばんは。
いい思い出を持つ先生がいるということは幸せです。

mwainfo さん
こんばんは。
こちらこそよろしくお願いします。
藤沢周平の小説は、暗い内容が多いのですが、最後に救われるストーリーが多いので好きです。

アヤメセブン さん
こんばんは。
年賀状を書くときも、どうしているかなーーーなんて考えます。それがいいのですね^^。
by 斗夢 (2010-01-07 17:58) 

やまさん

こんばんは。

私も未だに小学校の担任の先生と、高校の担任だった先生からは年賀状が来ていますが高齢なので健康には気をつけてほしいと思っています。
高校の担任は事情があり4カ月しか高校に通っていませんでしたが、縁というのは大事にしないといけないなと感じる今日この頃です。
by やまさん (2010-01-08 00:57) 

斗夢

やまさん さん
おはようございます。
人と人とのお付き合いが継続するというのは、最初の縁もありますがなにかあるのでしょう。大事にしたいですね。
by 斗夢 (2010-01-08 05:34) 

*Hossy*

遅くなりましたが、おめでとうございます。
斗夢さんを含め皆さん、先生との年賀状のご挨拶えらいですね。
私なんて、恥ずかしながら・・・です。
T先生・・やっぱり気になりますよね。
by *Hossy* (2010-01-08 19:21) 

斗夢

*Hossy*さん
おめでとうございます。
担任の先生や中学では教科ごとに教えていただいた先生とたくさんいらっしゃるのですが、何故か一人とか二人とか長い年月にわたってお付き合いすることになりました。縁でしょうか。
T先生からはついに来ませんでした。
by 斗夢 (2010-01-09 05:21) 

SILENT

新田次郎さんの「聖職の碑」といった小説が好きでした。教職が聖職と言われていた時代、大切なものを現代は忘れていると思います。ご近所の92歳になる方は今年から「年賀欠礼」宣言をされ全国の友人を巡る旅をしたいと言われています。
by SILENT (2010-01-09 09:57) 

MBTシューズ

<b><a href="http://www.japanmbtshoes.com/"title="MBTシューズ">MBTシューズ</a></b>
日産自動車は25日、環境対策プランの一環として推進している生産など事業活動でのCO2(二酸化炭素)削減への取り組みを拡充する計画を明らかにした。

<b><a href="http://www.mbtshop-jp.com/"title="MBTシューズ">MBTシューズ</a></b>
同社は今年10月に、2016年度までの環境対策プランとして「NGP(日産グリーンプログラム)2016」を公表した。同プランでは車両の環境性能を高める一方、事業活動でのCO2排出について05年度比で20%削減する方針を打ち出している。
by MBTシューズ (2011-11-26 16:16) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

梅 開花!カモと遊んできました! ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。