校庭のポプラ。

　　

　この木を撮るとき、普段思いもしない母校を思い出した。

　東北の片田舎の小学校に”ポプラ”があった。高さは１０ｍ以上だったが、それが１本だったか２本だったかはっきりと覚えていない。

　明治３６年生まれの父親も昭和５年生まれの兄も、この学校を出た。

　入学したころの校舎は、体育館もなく平屋建ての小さなモノで、今では何処へ行っても見ることはできないと思うが、屋根もない廊下が外に付いていた。お寺の本堂の外側をぐるっと回る廊下のよう。狭い校庭を走り回り、教室にはいるときは土の上に置かれた踏み板のところに下駄や草履をそろえて並べ、数段の階段を上って廊下を踏んで教室に入った。各教室の前に下駄脱ぎ場があったのだ。

　時間の始まりや終わりは、小使いさん（用務員さんとは言わなかった）が鐘をたたいた。

　私が卒業したときの同級生は２８名。敗戦後の子供がおおぜいいた時代にである。１学年１クラス。全校で１５０～１６０名。教室は後ろ半分には机がなかった。空いているところは遊び場。

　勿論、校長先生もいたし教頭先生もいたし、各学級に担任の先生もいた。思うに、少人数のため先生の目が届き、落ちこぼれなどという生徒はいなかったと思う。中学は街の大きな中学（１学年３５０人？）に通ったが、皆成績はよかったと思う。

　先生との思い出もたくさんある。例えば、今では考えられないことだが、メンコやビー玉を先生とした。大人と子供。当然先生が勝ち、職員室の机には戦利品がたくさん入っていた。

　時代が進むにつれ、校舎は建て替えられ、生徒数も減った。でも、今も少し敷地が移ったが、体育館もある２階建ての校舎の学校がある。生徒数は５０人もいないだろう。だが、分校ではない。独立した小学校なのだ。町の小学校まで車で１５分もかからないのだが。

　５年生が毎日校庭を竹箒で掃いた。掃けるほどの広さの校庭。秋、ポプラの葉が散るころは落ち葉が戦利品だった。校庭の、民家との境に立っていたポプラは他に大きな木がなかった校庭の主だったかも知れない。

コメント 11

何かをきっかけに、記憶の断片が急によみがえったり、
思い返したりすること、ありますよね☆

by お茶屋 (2009-01-20 18:58) 

思い出の校舎といったところなのでしょうか？
ふるさとがあることはとっても素晴らしいと思います＾＾

ご訪問ありがとうございます　応援ポチッとなのだ☆
by やまがたん (2009-01-20 20:07) 

めんこやビー玉を生徒と一緒に・・・
結果、先生に持っていかれても良い想い出ですね。
by jinn (2009-01-20 22:28) 

こんばんは。
思い出ってふとしたことでよみがえったりしますよね。

by sunset (2009-01-20 22:50) 

こんばんは・・・
故郷は遠くにありて思うものですね♪
by あら!みてたのね (2009-01-20 23:20) 

懐かしい記憶ですね。
幼少の記憶でなぜか甘くいい思い出が多いです。
モノクロのポプラも色づいてみえます。
by ouichi (2009-01-20 23:56) 

お茶屋さん
おはようございます。
思い出というものは不思議です。
本当にちょっとしたことで心に浮かんできますかｒ。

やまがたんさん
おはようございます。
ふるさとはよい事ばかりでないのですが
いいものです。

jinnさん
おはようございます。
あの頃は先生方も余裕があったのでしょうか。
時間外で、そろばんや習字を教えてもらいました。
九九を覚えないと帰してくれない先生もいました。

sunsetさん
おはようございます。
廃校になっていたりすると思いはまた
別のものになるのでしょうか？

あら!みてたのねさん
おはようございます。
良いことも悪いこともオブラートに包まれて・・・。

ouichiさん
おはようございます。
子供のころの遊びほうけていた頃に
戻りたいですね。

by 斗夢 (2009-01-21 05:28) 

斗夢さんの思い出話を読んでいる内に
自分はどうだったかと・・・
名古屋で　小・中・高と学んだ・・・
小学校は　６組 （各組　６０人は いたと思う）
中学校は A~L組 凄いマンモス校だったのだと
改めて思う
高校は　６組で　進学クラスが一組だけ

お蔭様で　懐かしい思いをしています。
by ララアント (2009-01-21 17:44) 

ララアントさん
こんばんは。
昔は子供の数が多かった！
教室は満杯。先生は大変だったでしょうね＾＾。
by 斗夢 (2009-01-21 18:01) 

でも悪い思い出も時間が経つと良い思い出ですよね
当時は辛くとも思い返すと懐かしいことありませんか？
by やまがたん (2009-01-22 00:40) 

やまがたんさん
おはようございます。
時が経ってほろ苦く感じる思い出も
忘れてしまいたいと思うことがあります。
by 斗夢 (2009-01-22 05:02)