春の知らせ・兆し [ふるさと]
東北の片田舎で生まれ育ったとはいえ雪深い山里ではありませんでした。が、今は積もらなくなりましたが30cm程度の根雪がありました。
子供のころは雪合戦をしたり雪だるまを作ったり雪は遊び友達で少しも苦にしていませんでした。寒さも池や堀に氷を張らせるのでスケートで楽しむことが出来ました。そのためか雪がとける春を待ちわびるということはあまりなかったようです。
雪解け・春を心待ちにしたのは大人になってからです。仕事で自動車で走らなければならない冬の状況は苦痛でした。滑りやすい雪道やアイスバーンは大げさに云えば命がけだったのです。降雪の季節を迎える11月末には気持が落ち込み雪のない世界に住みたいと心から思いました。
春の兆しが見えたときのうれしさは例えようもないものでした。
既に雪が消えた道路を走っていて、まだ雪が残っている林を見ると、木の根元を囲むように雪が消えています。私にとっては春の知らせ・兆しでした。お天道さんの熱で暖まった幹が雪を溶かしたのです。
東北を離れてからも、私は春の兆しとしてその情景を思い浮かべていました。
(webからコピー)
私が春の兆しとして心に決めていたのはこの絵の情景なのです。現実はもっと太い木もありますが。
この絵は、小野竹喬(おのちっきょう)という日本画家の『宿雪(しゅくせつ)』という絵です。
実はこの画家のことを少しも知りませんでした。高名な人でした。
朝日新聞3月31日夕刊でこの絵が取り上げられていて初めて見ました。
私がずっと春の兆しとして思いこんでいた風景が絵になっていたのです。
木の根元の丸い雪解けを"根開け"と云うそうですが、"ねあけ"と読むのでしょうか、国語辞典には出ていませんでした。
"宿雪"は国語辞典にあり、残雪のことを云うそうです。
なんと日本語の表現は豊富なのでしょう。
桜前線は北上中です。それに伴って私の心もふるさとやかって住んだことのある土地に飛んでいます。雪が少なくなったとは云ってもふるさとは今どうしているだろうと。根開け、宿雪は見られるだろうか?
~辛夷咲く あの丘北国の 北国の春
辛夷は既に散り、桜を待っているのでしょうか。モモはりんごは?
根開けというんですね♪
ぼんくらは何年か前に八ヶ岳の麓で
見る機会に恵まれました。
ブナ林でしたが本当に美しかったです^^
by ぼんくらオヤジ (2010-04-09 20:58)
子供の世界では 雪も氷もおもちゃ
楽しい遊び相手だったのでしょうね
大人になると 雪も氷も魔物
まさに 命がけになるのでしょうね
根元が溶けた風景
懐かしいです (^^)ニコ
by chunta (2010-04-10 00:31)
それほど日本画は好きじゃない私も、小野竹喬は好きです。
現在、展覧会中ですね。
by sonic (2010-04-10 00:57)
ぼんくらオヤジさん
おはようございます。
雪国の人には見慣れた当たり前の風景でしょうが、私にとっては心に残る事象であり風景です。
chunta さん
おはようございます。
夏には夏の冬には冬の遊びがあり外を駆けずり回っていました^^。
この風景は見ていらっしゃったんですね。
sonic さん
おはようございます。
私は多くの画家を知ってはいませんが、日本画は油絵より好きです。
小野竹喬は知りませんでしたが、調べてみたら大変な人なんで驚きました。
展覧会は今日か明日くらいまで開かれているようでした。連れ合いの事情で今回はパスです^^。
by 斗夢 (2010-04-10 05:18)
私も東北の生まれです。
今は新幹線で首都圏へ通勤できる距離で便利になりました。
根開け春の準備なのですね。
by ナビパ (2010-04-10 05:35)
東北の生まれではないですが、
雪がたくさん降って、冬の長い国には住んだことがあります。春を待ちわびる気持ちはとてもよくわかります。
by beluga (2010-04-10 13:06)
北海道が丁度、根開けの時期です^^
キタコブシはまだまだ咲いていませんが、やっと福寿草も咲き、春になったなぁと。
by tsuka (2010-04-10 13:24)
ナビバさん
こんばんは。
東北の生まれで通勤が出来るところとなると、白河か郡山^^。
根開けは自然が春だよと叫んでいるのでしょう。
beluga さん
こんばんは。
雪国には所得控除があってもいいのではないかと真剣に考えたことがあります^^。
tsuka さん
こんばんは。
春の兆しが見えて、心楽しくなる時ですね。
by 斗夢 (2010-04-10 17:46)
春が待ち遠しい雪国。私は住んだことがないのでわかりませんが、そこに住むと一長一短いろいろなことがあるのですね。私は家が農家であることが昔嫌でした。外部の人の想像とかけ離れていたからですが、今思えばその暮らしをしたことない人には分からないことかもしれないですね。
春も北上、喜びに溢れる季節になるのですね。。。
by まるまる (2010-04-10 20:24)
まるまるさん
おはようございます。
いまも雪国の方々は雪で苦労されていることでしょうが、その反面よいこともあると思います。
私の家も農家でしたが、比べるものがなかったためかいやだと思ったことはありませんでした。今と違って農作業はほとんど手作業で子供も農繁期には働き手の一員に組み込まれていました。
by 斗夢 (2010-04-11 04:44)
東北を旅行したとき、樹の幹のまわりが溶けていたのが
とても印象に残っています。
by 未来 (2010-04-11 07:37)
いい絵ですね~
東北でももう木々の芽ぶきが始まっていることでしょう。
桜や桃やリンゴの花が 一度に咲きそろ美しい風景が目に浮かびます。
by タックン (2010-04-11 10:14)
根開け、初めて知りました。
こちら群馬県の高崎は、東京と同じくほとんど雪が降らないので、こういう現象があることも知りませんでした。
木々が春を知らせてくれるんですね。
by かずっちゃ (2010-04-11 12:52)
ず~と、横浜くらしなので田舎がある方が
たまに羨ましくなりますが色々と大変なんでしょうね。
by こういち3 (2010-04-11 14:49)
未来さん
こんばんは。
自然は面白いですね。人間がやっていることはみんな自然から教えられたものだと。
タックンさん
こんばんは。
現物を見たらもっといいなーと思うでしょうね。
待たせに待たせた春が申し訳ないとばかりに一気に万花を花開かせるのでしょう^^。
かずっちゃさん
こんばんは。
私も初めて知りました。日本語の表現は素晴らしいと思います。
じっくり見ているといろいろのことが季節の移ろいを教えてくれますね。
こういち3さん
こんばんは。
大変ですよ。TVで見たり旅行して経験したりでは本当のところがわからないでしょう。
近年、農村に移住する人が多いと聞きますがどれだけの覚悟で出かけられているか疑問です。
by 斗夢 (2010-04-11 19:54)
小野竹喬展見てきましたよ
17歳のときの絵と
80代の作家の絵の両方に驚いてかえってきました。一枚一枚がこつこつと繋がった作者の歴史に
感心しました。雪のように少しずつ降り積もった努力の跡が感じられました。爽やかないい絵ですね。
by SILENT (2010-04-13 08:17)